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ギモン解決!無線LANミニ知識・番外編

ギモン解決!無線LANミニ知識

無線速度を左右する、電波干渉についてより深い話をお伝えする「無線LANミニ知識・番外編」です。

「入門編」「基礎編」とくれば「応用編ではないか?」と思われたかも知れませんが、「応用編」ともなると、とてつもない文章量かつ異常な難易度にならざる得ず、とても「読み物」として成立しなくなってしまいます。
そこで今回はあえて、ジャンルを絞った「番外編」とさせていただきました。

「高速といわれる無線通信規格を使用してるのに、なぜ低速になってしまうのか?」、「通信規格ごとに干渉しやすさに差が出るのはなぜ?」等々「基礎編」でお伝えし切れなかった「あと一歩」を補う下記の「番外編」を是非ご覧ください。

Q:「11b/g」で「干渉しないのが3ch」?うちの無線LANルータは13chも選べるけど・・・?

A:「11b/g/n」で使用される「2.4GHz帯」は、13chの周波数のほとんどが重なっています。
そのため「干渉」が起きないで済むチャンネル数は、「11g」で「最大3ch」になります。

もっと知りたい

「IEEE802.11b/g」の無線規格では、「2.4GHz帯」という使用周波数のうち「22MHz」を「1ch」として扱っています。
そして2.4GHz帯約100MHzの中に、チャンネルを重複するように配置「13チャンネル(11bでは14チャンネル)」を確保しました。

世界共通となっている「2.4GHz帯」での各チャンネルの分布図

この図は、2014年3月現在、世界共通となっている「2.4GHz帯」での各チャンネルの分布図です。
「1ch」から「5MHz」ずつずらしてチャンネルが定められていることから、非常に電波干渉が起きやすい分布です。
電波干渉を起こさず、もっとも効率よくチャンネルを振り分けようとすると、「1ch」「6ch」「11ch」の「3チャンネル」となってしまうのです。
なお、11bであれば「14ch」も干渉がほぼ無いとみなし、4chになります。そのため「14ch」に干渉しないよう 「11b」や「11g」では「1ch」「6ch」「11ch」を使用するのが一般的です。

※「14ch」が「11bだけ」かつ「日本だけ」なのはなぜ?
これは基本規格「802.11」の策定中、日本では2.4GHz帯の大半を「無線LANでの使用を許可する法律」が無く、この「14ch」の部分だけが法的に許されたためです。
「11」の規格には「日本用チャンネル」として、この周波数帯が盛り込まれました。
現在の番号は「14」ですが、日本ではもっとも古くから使用可能とされていたチャンネルであり、あまり普及しなかった日本向け「802.11対応無線機器」は、この1チャンネルのみ使用可能だったりします。
「1〜13ch」までの使用を許可する日本の法整備が整った後、更に「11」と互換性をもった「11b」の正式策定によって、「1〜13ch」は世界共通のチャンネル規格となります。
そして、この周波数帯は「14」の番号を与えられ、このチャンネルだけが、他ののチャンネルから少し離れた位置にある「日本でのみ」使用できる特殊なチャンネルとして残りました。 その後、世界標準でなかったこともあり、「11g」策定の際に「14ch」は規格から外れ、それ以降の規格では利用できなくなりました。

ところで「基礎編」でお伝えしたとおり、「11n」には「チャンネルまとめて高速化」の「チャンネルボンディング」という機能が追加されました。
この機能を使って「11g/n」で高速な通信する場合、隣接する2チャンネル(正確には少し重なったチャンネル)をまとめて利用します。つまり「1ch+5ch」や「2ch+6ch」、「7ch+11ch」といった具合にまとめつつ、微調整して「40MHz」を確保することになります。よって最高速度を出す上で、重複を避けられる最大チャンネルは、「1ch+5ch」と「9ch+13ch」の「2chのみ」になってしまいました。もちろんよその「11b/g」対応機器が「6ch」をすでに使用している場合、「11g/n」の高速通信を行おうとしても干渉が避けられず、速度低下が発生します。

※干渉が発生する場合は、チャンネルボンディング無しの「20MHz」で干渉の無い「11g/n」通信をした方が、高速になることがあります。「20MHz」であっても「11g」は理論値最大速度が「54Mbps」、「11g/n」は「72.2Mbps」ですので、「11g/n」を使う意味はそれなりにあると言えるでしょう。

なお最近の無線LANルータであれば、周囲の利用状況を確認し、「干渉」が発生しにくいチャンネルで自動的に接続する機能が備わっていることが多々あります。とはいえ、干渉しないのは「11b」で4つ、「11g」で3つ、チャンネルボンディング使用の「11g/n」では2つの無線LANルータまでで、いくら自動でチャンネル変更しようとも、空きが無ければ効果はありません。無線LANが各家庭に浸透すればするほど、「2.4GHz帯」を使用する「11b/g/n」は、安定通信には不利な状況になってしまいました。

たたむ

Q:なんでそんな狭い周波数帯なの!もっと幅を持たせれば干渉しなかったでしょ!

A:周波数は「有限」かつ「世界中で使用される」ため、簡単に拡張・確保できないのです・・・

もっと知りたい

「周波数」は文字通り「波」を数値化しているものですが、それぞれの値で「到達距離」や「反射率」などが細かく変化していくため、「どんな周波数帯でも通信に使える」というわけではありません。
「特定の通信」には、それに適した範囲や出力があり、比較的短距離の利用を想定しつつ、個人で購入可能な低価格機器でデータ通信できる周波数となれば、この「数GHz付近」が適している周波数の一つでした。しかし、この「数GHz付近」であっても、すでに利用中の機器などが多く、勝手に使用したり、拡張したりするわけにはいかないのです。

では「2.4GHz帯」とはどんな周波数帯なのでしょう?
そもそも、「2.4GHz帯」は「ISM(Industry-Science-Medical )バンド」とも言われる周波数帯で、世界最古の国際機関とも言われる「国際電気通信連合(ITU)」が定めた国際法によって「産業、科学、医療用」として使用が認められていました。またそれを受け日本では「低出力なら免許無しで使用可能」と定められています。電子レンジもコードレス電話もBluetoothも、その他さまざまな機器がこの周波数帯を使用しており、11b/g/n対応機器では「これら製品とは干渉します」と、よく注意が促されています。

簡単に言うと、本来ISMバンドは「通信」のための周波数帯ではなく「マイクロ波発生装置」などの工業用、医療用の機器から「周りに迷惑かけずに漏れるだけなら良しとする」ための周波数帯の一つでした。こういう国際法がなければ、軍事通信もレーダーも、あらゆる機器の電波干渉を受ける可能性が発生してしまうため、「何でもあり」の周波数帯が必要だったのです。

つまり、この周波数帯は「ただのノイズ」が放出されやすい、はじめから「通信品質を確保しづらい」周波数といえました。

ではなぜ、無線規格を最初に作った「IEEE802.11」が、この「通信に向かない」周波数帯を選んだのか?
詳細な理由は多々あると思いますが、もっとも重要だったのは「将来性が定かではない無線規格の策定において、利用しやすかった」ことでしょう。 他の周波数帯であれば、「どの国で使えて、どの国でダメ」とか「軍事利用中なので使用厳禁」「もう予約済み」などの事情があり、利用するには相当の壁があります。確保するにしろ、どいてもらうにしろ、かなりの手間と費用が必要で、今後発展するかわからない「802.11無線規格」の検討段階では、「個別の周波数を確保する」のは困難でした。 一方「ISMバンド」であれば基本「何でもあり」と国際的に決まっているため、許可を得るにも障害が少ない。それはつまり「うまくいかなくても影響が少ない」ということでもあり、「世界展開しやすい=普及しやすい」ということでもあります。よって本来なら「専用周波数」を持つ方が「通信品質」にとってはプラスなことは十分知りながらも、「無線規格は2.4GHz帯を使う」として、検討が始まり「802.11」が規格として完成。その後「11」を継承した「11b」策定時において「低価格製品」を生み、「大普及」を実現したのでした。

実際「専用周波数」を確保しようとした「11a」では、「周波数確保」のために性能の高さを売りにする必要があったことから、同時期の検討開始にもかかわらず「11b」の5倍近くの「54Mbps」というとんでもない高速化を目的とせざる得ず、技術的に成し得た後も、欧州向の補足規格(IEEE802.11h)の策定が遅れ、製品化が大幅に遅延。製品の低価格化も進まず、長らく陽の目を見ることができなかったのでした。

今、電波干渉によって不便さばかり強調されつつある「2.4GHz帯=11b/g/n」の無線LAN通信ですが、「2.4GHz帯」であったからこそ、これだけ普及し、次の技術につながる基礎が出来上がったと言えるでしょう。

なお、まったくの余談になりますが、「なぜ2.4GHz帯がISMバンドになったのか?」
諸説あって定かではないのですが、どうやら「米国初の電子レンジ」が「2.4GHzを使っていたから」というのが有力のようです。 1940年代まで「2.4GHz帯」は「軍事通信」などの周波数帯として利用されていました。そこに「電子レンジ」という画期的な調理器具が誕生。その製品がたまたま「2.4GHz帯」のマイクロ波を食品の加熱に使っており、「この製品は調理器具として船舶に積まれ、海外に渡るかも・・・もし海外のレーダーや通信に干渉したら重大な妨害行為として・・・」と危惧した米国が、あわてて「2.4GHz帯」を「ISMバンド」として国際基準とするよう申請、国際電気通信連合(ITU)により決定された・・・というお話。 食品過熱に「2.4GHz帯が必須」というわけでもなく(実際、「電子レンジ」の特許は「3GHz」で申請されているとか。また南北アメリカでは「915MHz」の電子レンジもあるくらいで、「2.6」でも「2.2」でもなく「2.4GHz帯」でなければならなかった理由が不明)、単に製造に有利だったのか、コストが安く済んだからなのかはわかりませんが、「米国初の電子レンジ」は「2.4GHz帯」を使用し、これによって「2.4GHz帯」は「ISMバンド」とする申請が出され、「ISMバンド」となったために、それ以降の電子レンジやその他の製品、そして無線規格「802.11」が「2.4GHz帯」を使用することになった・・・。 これが事実かわかりませんが、「ただの偶然がルールになった」というのは面白い歴史だと思いませんか?

たたむ

Q:ならチャンネルを重ねたのはなんで?最初から独立した3チャンネルにしなかったのは?

A:普及するためには「少ない親機で多くの子機を」というのが当時の方向性だったのです。
そのため「802.11」と後継の「11b」は、低速ながら比較的混信に強い方式を使っていました。

もっと知りたい

最初の無線規格「IEEE802.11」策定は「1997年」でしたが、検討が開始されたのは、なんと「1990年」。 「Windows3.0」がようやく発売されたころで、内蔵HDは「無い」か、あってもせいぜい「100MB」、インターネットもメールも一般人には名前すら知られていない。つまり「近距離の無線通信」を考えるときに「数十Mbpsもの速度が必要だ」と想定すれば笑われる時代でした。そんな状況を背景に、無線LAN通信を実現・普及させるために必要なものは何か?と考えた時、「伝送速度」などではなく、「少ない中継器(親機)で、多くの端末が接続可能なこと(=安価に、大勢に)」と考えたのも、自然なことだったのです。

そのため、「11」の「周波数にデータ通信の信号を載せる技術」としては「周波数ホッピング方式」や「直接拡散方式」という、いずれも「高速ではないが、多数の端末接続による混信や、ノイズに比較的強い」方法が盛り込まれています

ちなみにそれぞれの方式を非常にざっくりと説明すると、以下のようになります。

周波数ホッピング方式

特定の周波数内(例えば2.4GHz帯全域)を秒間1000回以上の速さで次々と移動し、特定の周波数ノイズにより破壊されるデータを最小限に抑える方式。

直接拡散方式

特定の周波数(例えば1チャンネル20MHz分)全体にデータを拡散させることで干渉する特定の周波数ノイズからの影響を極小にしようとする方式。

実際、少ない設備(基地局)で多くの端末を繋ぎたい携帯電話各社の目に留まり、その通信方式(CDMA)にもつながる技術となっているほか、「周波数ホッピング方式」は、高速通信を求められることが少なかった「Bluetooth」で採用されていたりします。つまりそれなりに画期的な方法には違いありませんでした。

後継として「1999年」策定の「11b」では「直接拡散方式」の改良版を使用し、「2Mbps」だった「11」の理論値最高速度を「11Mbps」まで高速化しました。しかし、「速度を犠牲にする分、干渉に耐える通信方式」が原型となっていたこともあり、使用チャンネルは「番外編」冒頭の「Q」でご覧いただいたような、ほとんどが重複した仕様とされたのです。また、この方式が将来的に改良されて、混信を克服する可能性についての期待もあったようでした。

こうして、「2.4GHz帯」のチャンネルは、ほとんどが重複した形で現在に至ります。今となっては不評を買う仕様ではありますが、時代背景と、その後の効果を考えたときには、止むを得ないとも言えるのではないでしょうか。

なお、後日談となりますが、パソコンを含むデジタル機器の異常な進化速度により、「11b」は「混信に強いかどうか」のメリットが強調される間もなく、「速度が遅い」というデメリットの方が顕在化してしまいました。よってこの「遅く広く」の方式は「11g」策定時に見直され、方針が転換されます。

「11g」では「直接拡散方式」に見切りをつけ、「11a」で採用されていた「OFDM(直交周波数分割多重方式・きわめて単純にいうと、特定の周波数範囲に効率よく、かつ隙間無くデータを積み込む方式)」を採用、「11a」と同等の理論値最大速度「54Mbps」を達成しました。

しかしこの方式は「速度を出す代わりにチャンネルを占有する」必要があるため、干渉には弱い(干渉時に速度が極端に落ちやすい)方式でもあります。
チャンネルがそれぞれ独立して確保されている「11a」と違い、「11b」と互換性を持たせた「11g」は、「13チャンネルの大半が重複」した仕様のまま。製品発売間も無い、「11b/g」の利用者がまだ少なかった時期には問題となりませんでしたが、時を経て、普及が進むごとに、干渉する機会も増えることになったのでした。

たたむ

Q:11aでは、そういう「干渉」の問題はないの?

A:「11a」では「ほぼ」ありません。が、「11a/n」「11ac」の高速通信では、干渉の可能性も・・・。

もっと知りたい

「IEEE802.11a」の無線規格では、「5GHz」という使用周波数のうち、「20MHz」を「1ch」として扱っています。
そして、5GHz帯の中に、独立したチャンネルを「19チャンネル」確保しました。以下の図をご覧ください。

日本における「11a」の使用周波数帯とチャンネル図

この図は、2014年3月現在の、日本における「11a」の使用周波数帯とチャンネルなどを示したものです。
カッコ内の周波数は、そのチャンネルや規格のほぼ中心に当たる周波数を表しています。
「5GHz帯」といっても、その全てを無線通信に割り当てているわけではなく、「5170〜5330MHz」と「5490〜5710MHz」の、約380MHzの範囲を利用しているに過ぎません。
それでも「11b」の2.4GHz帯100MHz分の4倍近くの周波数幅を持っています。

この図について、以下にいくつかポイントをご説明します。

W52やW53とは?

周波数を一まとめとして呼ぶための「日本独自」の規格名称です。「J」が日本基準、「W」が世界基準を意味し、数字は(おおよその)中心周波数を表しています(52=5.2GHz、53=5.3GHz、56=5.6GHz)。「11a」は日本での周波数範囲がいろいろと変遷したため、混乱しないよう、このような規格名称が日本でだけ補足としてつけられました。

廃止となった「J52」とは?

「11a」を日本で利用するために、一番最初に設定された「無線LAN通信用5GHz帯」が「J52」のエリアです。「11」の時の「14ch」と同様、日本の法律ではこのエリアしか無線LAN通信に許可されていませんでした。というのも、このすぐ後ろの「5240MHz以降」が「気象レーダー」の観測波として利用されていたからです。日本向けに「IEEE802.11j」という規格で定められました(「j」は偶然であり、「JAPAN」の「j」ではありません)。欧米の状況も同様でしたが、欧米では「W52」エリアを利用可能にする調整に入ります。日本では「J52」を策定して「良し」としてしまったため、後に「W52」エリアなどが世界基準になった際に、慌てて修正を実施、混乱を生むことになりました。

対応製品が発売され始めた2002年頃から2005年頃まで、「11a」の無線通信は「J52」の周波数範囲で行われていました。同時接続可能チャンネルが4チャンネルきりなので、「11b」と比べても同時接続可能チャンネル自体に差はほぼ無かったことになります。もっとも、利用者がまだまだ少なかったので、ルータ同士の干渉などまず無く、気にする人はあまりいませんでしたが。

その後の法整備で、2005年には「J52」は世界標準の「W52」へと移行、「W53」エリアも追加され(正確にはこの際に「J52」「W52」という言い方ができた)、同時接続可能チャンネルは8チャンネルへ増加。続いて2007年に「W56」エリアが利用可能になって、接続可能チャンネルは19チャンネルを達成。そして2008年6月以降は「J52対応無線LAN機器の新たな製品販売は不可」となり、事実上の「廃止」となったのでした。
現在「J52」対応の機器が販売されていることもありますが、「2008年6月」以前から継続して販売されている商品に限られます。あくまでも「新製品販売」が禁止なだけなので、昔の機器で「J52」範囲の無線通信を使用すること自体は違法ではありません。ただし、「J52」対応製品が今後発売されることは無く、「J52」の無線通信は「W52 ,53,56のみ対応製品」では接続できませんので、ご注意ください。

W52が屋外使用禁止の理由

正確な点は定かではありませんが、この周波数のすぐ下の周波数帯(5000〜5150MHz)を、航空機の「自動着陸誘導システム(MLS)」が使用しています。空港の滑走路先端などに巨大な装置を設置して、飛んでくる飛行機を安全確実に着陸させるためのシステムですが、「絶対に干渉されてはならない通信」ということで、その使用周波数の近くの「J52」ならびに「W52」は「屋外使用禁止」となったようです。もっともこの誘導システムは、世界ではともかく、日本ではほとんど導入が進んでいないとか。

W53が屋外使用禁止の理由

「W53」は「気象レーダー(アメダス)」が使用する周波数の一つでもあります。降雨や雲を測定するのに有効な周波数帯(これ以上周波数が高くとも低くとも、効率が悪い)とのこと。もし「W53」の周波数が、町中で無数に外に漏れ出すと、降雨などによる反射波かどうか見分けが付かず、観測不能となってしまうことから、屋外での使用は禁止となりました。また、屋内使用であっても、後述する「DFS」「TPC」といった機能を有効にして利用することが条件となっています。

W56が屋外使用可能な理由

「W56」は、船舶用、軍事用など、各種レーダーで使用されています。「気象レーダー」とは異なり、日常的に利用するものではないことから「DFS」「TPC」の機能を利用する条件で、屋外使用が可能となったようです。

「DFS」「TPC」とは?また「アドホック接続」が禁止の理由は?

「DFS(Dynamic Frequency Selection)」
「DFS」とは、簡単に言うと、混信時に自動的にチャンネルを移る機能です。
このように書くと「無線干渉に対する便利な機能」のように見えますが、本質は「レーダーを阻害しないための機能」になります。
もしレーダー波をキャッチすると、無線LAN機器は即座に停波、別の空きチャンネルに強制移動の上、そのチャンネルが「W53」ないし「W56」ならば、「1分間」レーダー波がないかどうかを計測してから接続が再開されます。無論、またキャッチされたら即座に停波、移動して「W53」「W56」なら1分待ち・・・、を繰り返すことになります。レーダー波がキャッチされたチャンネルは、30分利用できなくなります。運が悪いと、この機能のために延々と接続ができなくなったりすることもあり、「11a」の弱点の一つとなっています。このような機能であることから、ほとんどの無線LANルータでは「W53」「W56」使用時に、チャンネルを手動で設定できないようになっています。

なお、「DFS」は、「親機」側の義務であり、子機には不要とされました。つまり「W53」「W56」利用にあたって「DFS」が働かない「子機同士の接続=アドホック接続」は「使用不可」とされたのです。

「TPC(Transmission Power Control)」
「TPC」とは、簡単に言うと、必要以上の電波出力を下げる機能です。
このように書くと「消費電力を下げるエコな機能」のように見えますが、本質はやはり、「レーダーを阻害しないための機能」。屋外へ電波を出さないよう、また屋外使用時に遠方まで電波を飛ばさないよう、電波出力を自動的に下げる機能で、このため、「11b/gと比べて電波が弱い」といった感想を持つケースもあるようです。

※ちなみにこの「DFS」「TPC」の実装が、「11a」の欧州向け補足規格「IEEE802.11h」の主内容であり、この内容が決まるのに時間がかかったため、「11a正式策定」から「11a対応製品販売開始」までに大きく時間がかかることになりました。

ここまでの点を踏まえると、「11a」における「電波干渉の有無」について「ほぼ」無いとご説明した意味はお分かりになるかと思います。19チャンネルを確保しているとはいえ、自由に選べるチャンネルは「W52」の4チャンネル分のみ。環境が悪ければ「W53」や「W56」の周波数帯は利用できない可能性もある。しかも屋外では「W56」のみで、「1分」の待ち時間付き、チャンネル選択は不可、レーダー波がキャッチされれば突然切断・・・。なんら制限が無い「11b/g」の方が、接続状態が良い局面もあるため、「ほぼ」と言わざる得ないのです。

※加えて、周波数の特性として「周波数が高いほど障害物に弱い」ということから、「11aの方が電波が弱い」と感じやすい事もあります。

では、「11a/n」や「11ac」での懸念とは何か?
基礎編ですでに触れたことの繰り返しとなりますが、それぞれの「高速通信」で使用される「チャンネルボンディング」が、「2.4GHz帯」で問題となった「チャンネル不足」を再発しかねないからです。

改めてお伝えすると、「11a/n」で最高速度を出そうとした際の「チャンネルボンディング」は、2チャンネル分の占有で、使用可能チャンネルは9つ分。「11ac」に至っては4チャンネル分、8チャンネル分占有となるため、確保できるのは4つ分、最大速度ではわずか2つ分となってしまうのです。つまり「高速」にしようとすればするほど、「まず接続できない」「できても干渉でやたら低速」となりかねないのです。「11a/n」までは実用的とも言えますが、「11ac」の高速通信では「11b/g」と同様、「普及するほど悪くなる」という状態になることが危惧されています。

もっとも、悪い展望ばかりということではまったくありません。あくまでも「チャンネルボンディング」で「最高速を目指した」場合は「干渉しやすい」というだけのことです。「11a/n」と同等の2チャンネル分を占有した「11ac」では、「11a/n」より「11ac」の方が高速(基礎編「11ac」に関する「Q」の表を参照ください)、そして環境が許せばそれ以上を望めるのですから、「11ac対応機器」にしておくメリットは、十分あるといえるでしょう。

米国では「5GHz帯」の残りの部分を「使用可能」にしようとする動きが始まっています。帯域幅が広がれば、選択チャンネルが増え、干渉の可能性が減り、「11ac」が大きく飛躍することも考えられます。
それが、何年後になるのか、日本が同様の周波数を利用するようになるか、また、今購入する「11ac」製品がそれに対応するか、不明な点もありますが、過去の例では、日本の周波数は米国や世界標準の周波数には必ず追随してきたこと、「J52→W52」移行期には、ファームウェアのアップデートで対応可能になった製品も多数あったことをお伝えしておきます。

「11ac」は、良くも悪くも始まったばかり。今後の展開にも期待したいところです。

たたむ

Q:無線LANは「雨に弱い」?

A:統計的には、その傾向が見受けられます。が、「水」そのものが理由では無いようです。

もっと知りたい

「雨が降ると速度が落ちたり、接続できなくなったりする」とのお話が散見されます。インターネット上などでは確かに多く報告例があり、その理由として「雨が電波を阻害する」「吸収する」ということがまことしやかに語られていますが、正確な答えでは無いようです。
というのも、「降雨による減衰率」については、「時間雨量100mm(視界が0になるほどのドシャぶり)」であっても、2.4GHzで「0.01db/km」、5GHzで「0.2db/km」程度なんだとか。おかげで10km以上の屋外用長距離通信にも使用されており、「雨が阻害する」のが「雨天時の電波強度悪化」の理由にはなりえません。

※「10GHz」を境に雨に対する減衰率が跳ね上がるため、「10GHz以上」の高い周波数を使用する衛星放送などでは、「降雨による放送視聴不可」が起こります。これは「水」のせいと言えるでしょう。

では、何が原因なのか。
実は「電波の減衰する理由」が数多くの状況によって起きうるため、明確な答えがありません。
一説では、「降雨により電線などの絶縁が悪化。微弱な漏電が起き、それによる電波ノイズが発生しやすくなるため」とも伝えられます(雨天や多湿の際、電線や高圧線の絶縁悪化でわずかに漏電、放電(コロナ放電)が起きるのは、実は当たり前のこととしてあるそうです)。が、降雨量、風の有無、絶縁の性能、電線までの距離等々、環境に著しく左右されるため、明確に計測したり、明言することはほぼ不可能。
結果として、一般的には「雨が邪魔するんだ」「吸収するんだ」といった誤った解釈がまかり通ってしまっているようです。

理由はともあれ、「雨が降ると接続できない」「遅くなる」等の報告例は存在するのですから、「天候悪化で電波状態が悪化する傾向がある」と考えるのが、無難な解釈でしょう。隣室や階上階下で無線LANを使用する際、ギリギリの電波強度で届いているのであれば、雨天時には接続不能になりうることも想定しておきましょう。

たたむ

Q:【おまけ】チャンネル、チャンネルって。正しくは「チャネル」でしょ?

A:実は「どっちも正解」です。傾向として「通信業界」では「チャネル」、「放送業界」では「チャンネル」と呼称されることが多いだけで、どちらであっても間違いではありません。

もっと知りたい

ルータの設定画面や説明書では、「チャネル」と記載されていると思います。本特集では、馴染みやすい「チャンネル」の表記に統一させていただきました。あらかじめご了承ください。

たたむ

長い間お付き合いいただき、ありがとうございました。
番外編はここで終了となります。

相当な情報量を掲載いたしましたものの、これでも省略させていただいた解説や説明が数多くあります。

さらなるギモンが生まれた方もいらっしゃるかと存じますが、あまりにも専門性に過ぎるため、ここまでといたしました。
より難易度の高いギモンについては、インターネット検索などを活用し、理解を深められることを、お勧めします。

TV同様、パソコンは今後数十年はなくならない「家庭の必需品」にまでなりました。
そして、それとともに歩んできた「無線LAN」も、進化し続け「必需品」となっていくことでしょう。

「IEEE」では次世代規格「11au」の検討に向けて動いているとの話もあります。
また、10m以下の短距離で「7Gbps」通信可能となる「IEEE802.11ad」や、「250kbps」の低速ながら「ソーラパネルだけで通信可能」な超省電力型「IEEE802.15.4g」など、機器への組み込み方次第では、大きな発展を遂げるかもしれない技術が多数待ち構えています。

まだまだ進化は止まりません。
生活を豊かにする「無線LAN」の世界に、今後も注目していきましょう!

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(注意)本掲載内容は2014年3月時点での情報を基に作成しています。また、広く理解しやすい内容とするため、「例外的内容」「特殊な内容」「厳密かつ正確な記述」など、一部の情報についてはあえて要約・割愛している場合があります。あらかじめご了承ください。

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